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造林公社の経営改革と特定調停について

滋賀県造林公社(昭和40年設立)と、びわ湖造林公社(昭和48年設立)は、国の拡大造林の一翼を担うため、植栽から伐採に至るまでの保育管理を行い、将来の伐採収入を分収するとした分収造林契約を土地所有者の方々と締結し、今日まで一丸となって造林・保育事業に努力してきたところです。

この事業に要する経費につきましては、農林漁業金融公庫や滋賀県、下流自治体等からの借入で調達し、当初の計画では伐採収入でもって全ての債務を返済する計画でありました。しかし、木材価格の上昇が期待できない中、債務が年々増加して厳しい経営状態となったため抜本的な公社経営改善計画を策定すべく鋭意努力をしてまいりました。

そうした中、農林漁業金融公庫からの借入金返済が平成19年4月から延滞状態となり、いつ全額繰上償還請求を受けてもおかしくない状態となっておりました。

一方、将来の伐採見込を試算した結果、滋賀県造林公社においては、負債総額約365億円に対して、伐採収入見込が最大でも122億円と大幅な債務超過になることが判明しました。 また、びわ湖造林公社の場合におきましても、負債総額約702億円に対して、伐採収入見込が最大でも281億円となり、同公社も大幅な債務超過となりました。

このような状況を総合的に勘案した結果、公社独自の努力では現在の厳しい経営環境を克服することは困難であると判断し、造林公社が経営改善を図るため、債権者に債務の減額等を求め、平成19年11月12日に大阪地方裁判所に特定調停を申し立てました。そして、分収造林事業等が琵琶湖周辺の森林が持つ水源かん養機能を高め、森林資源を造成し、あわせて農山村経済の基盤の確立及び民生の安定、社会福祉の向上に寄与することに鑑み、公社の経営状態を改善し分収造林事業を継続させることを目的とする調停条項案について各関係団体の理解と合意が得られ平成23年3月30日特定調停が成立しました。

現在、この特定調停成立の意義を十分踏まえ、健全な経営の実現を図るため、経営計画の策定を進め、調停条項に基づき、滋賀県の指導、助言および支援を受けながら、公社林の有する水源かん養機能をはじめとする公益的機能の発揮と伐採収益の確保に取り組んでおります。

特定調停による債務整理

○滋賀県造林公社
①公社の将来にわたる伐採収益(平成27年度~63年度予定)を約67億円と見込み、これをもって債務の弁済に充てることとし、各債権者の残高割合で配分する。
②各債権者は、弁済額を超える分の債権(合計約333億円)を放棄し、残った債権は全て無利息とする。
③滋賀県、兵庫県に対しては、伐採収益が生じた年度ごとに、それぞれの割合に応じて弁済する。
④大阪府、大阪市、神戸市、尼崎市、西宮市、伊丹市、阪神水道企業団に対しては、①により配分した額を現在価値に割り戻した上で、平成23年5月に一括弁済する。
⑤④の資金は、滋賀県が公社に対して新規に貸し付ける。

○びわ湖造林公社
①公社の将来にわたる伐採収益(平成35年度~80年度予定)を約121億円と見込み、これをもって債務の弁済に充てることとする。
②滋賀県は、弁済額を超える分の債権(合計約623億円)を放棄し、残った債権は全て無利息とする。
③滋賀県に対して、伐採収益が生じた年度ごとに弁済する。


特定調停に至るこれまでの経緯

平成19年10月31日

平成19年10月31日

農林漁業金融公庫から延滞解消をしない場合、全額繰上償還請求を行う旨の通知が公社へ届く。

平成19年11月 8日

平成19年11月 8日

滋賀県造林公社理事会およびびわ湖造林公社理事会において、特定調停の申立が承認される。

平成19年11月 9日

平成19年11月 9日

滋賀県議会環境・農水常任委員会に特定調停申立てが承認されたことを報告される。

平成19年11月12日

平成19年11月12日

[滋賀県造林公社]大阪地方裁判所へ特定調停を申立てる。

LinkIcon特定調停申し立ての概要.pdf

平成19年11月15日

平成19年11月15日

[びわ湖造林公社]大阪地方裁判所へ特定調停を申立てる。

LinkIcon特定調停申し立ての概要.pdf

平成19年12月25日

平成19年12月25日

第1回特定調停期日

1.日  時  平成19年12月25日(火)午前10時30分~午後0時

2.場  所  大阪地方裁判所 第2別館3階 第6債権者集会室

3.出席者  
(1)社団法人滋賀県造林公社
  申立人 滋賀県造林公社専務理事、代理人弁護士 ほか
  相手方 10機関(全員出席):代理人弁護士 ほか
(2)財団法人びわ湖造林公社
  申立人 びわ湖造林公社専務理事、代理人弁護士 ほか
  相手方 農林漁業金融公庫・滋賀県

4.概  要
(1)冒頭に公社理事長(専務理事)から発言
   相手方出席への謝辞および理解と協力のお願い 
(2)公社代理人からの説明
   申立の趣旨、債務処理の考え方について説明
(3)調停委員会は、相手方から個別に意見聴取を行われた。

5.次回以降の調停期日
    第2回期日 平成20年2月6日(水) 15時から
    第3回期日 平成20年3月6日(木) 13時30分から

平成20年 2月 6日

平成20年 2月 6日

第2回特定調停期日

1.日  時   平成20年2月6日(水)午後3時00分~午後4時10分

2.場  所   大阪地方裁判所 第二別館3階 第6債権者集会室

3.出席者
(1) (社)滋賀県造林公社
  申立人 滋賀県造林公社専務理事、代理人弁護士 ほか
  相手方 10機関のうち9機関(公庫欠席)
  滋賀県からは、琵琶湖環境部長、代理人弁護士 ほか

(2) (財)びわ湖造林公社
  申立人 びわ湖造林公社専務理事、代理人弁護士 ほか
  相手方 滋賀県(公庫欠席)
  滋賀県からは,琵琶湖環境部長、代理人弁護士 ほか

4.概 要
(1) 公社代理人弁護士から大阪府ほか7団体(自治体・企業団)との個別協議の経過について次のとおり説明をした。
・個別協議では、下流団体の参画の歴史的経緯について説明し、調停成立に向けての理解を求めた。
・相手方からは、滋賀県の対応についての質問や経営改善計画についての意見が出された。

(2) 農林漁業金融公庫の欠席について
第1回調停後、2度個別協議を行ってきた。現在進行中の公庫側の作業が完了していないので本期日は欠席された。次回は出席予定。

5.次回以降の調停期日
   第3回期日 平成20年3月6日(木)午後1時30分から 

平成20年 3月 6日

平成20年 3月 6日

第3回特定調停期日

1.日  時  平成20年3月6日(木)午後1時30分~午後2時45分

2.場  所  大阪地方裁判所 第二別館3階 第6債権者集会室

3.出席者
(1) (社)滋賀県造林公社
  申立人  滋賀県造林公社専務理事、代理人弁護士 ほか
  相手方  10機関(全員出席)
  滋賀県からは、森林政策課長、代理人弁護士 ほか

(2) (財)びわ湖造林公社
  申立人  びわ湖造林公社専務理事、代理人弁護士 ほか
  相手方  2機関(全員出席)
  滋賀県からは、森林政策課長、代理人弁護士 ほか

4.概  要
(1) 公社代理人弁護士から相手方への説明等
・下流団体からの質問等について、文書により回答が行われた。
・滋賀県に対して、下流団体から出されている意見等について、具体的な検討を行うよう要請している旨の説明があった。

(2) 滋賀県代理人弁護士から調停委員への説明(個別聴取)
下流団体からの意見に対しては、滋賀県として真摯に検討を行っている旨の説明を行った。

(3) 農林漁業金融公庫代理人弁護士から調停委員への説明(個別聴取)
農林漁業金融公庫からは「滋賀県の損失補償があるので、公庫としては、債務の減免を論ずべき立場にない。」、「滋賀県が損失補償後の債務を譲り受けることを前提に、本調停において滋賀県が申立人との間で債務額減額等の協定を行うことに全く異存はない。」と意見の表明 があった。

5.次回以降の調停期日
   第4回期日  平成20年 4月21日(月)午前10時から
   第5回期日  平成20年 6月18日(水)午後 3時から
   第6回期日  平成20年 8月 5日(火)午後 1時30分から 

平成20年 4月21日

平成20年 4月21日

第4回特定調停期日

1.日  時  平成20年4月21日(月)午前10時~午後0時

2.場  所  大阪地方裁判所 第二別館3階 第6債権者集会室

3.出席者  
(1) (社)滋賀県造林公社
  申立人 滋賀県造林公社副理事長、代理人弁護士 ほか
  相手方 10機関(全員出席)
  滋賀県からは、琵琶湖環境部長、代理人弁護士 ほか

(2) (財)びわ湖造林公社
  申立人 びわ湖造林公社副理事長、代理人弁護士 ほか
  相手方 2機関(全員出席)
  滋賀県からは、琵琶湖環境部長、代理人弁護士 ほか

4.概  要
(1) 公社代理人弁護士から大阪府他7団体との個別交渉の経過について説明
・ 個別交渉では、下流団体からの意見に対する検討結果についての説明があり、調停成立に向けての理解・協力が求められた。
・ 相手方からは、検討結果についての質問や意見が出された。

(2) 滋賀県代理人弁護士から、検討結果に対する滋賀県の考え方について説明

(3) 農林漁業金融公庫からは、「本調停に対する対応は、これまでと変わっていない。
   なお、調停外における県との個別協議については継続中である。」との説明があった。

5.次回以降の調停期日
    第5回期日  平成20年 6月18日(水)午後 3時から
    第6回期日  平成20年 8月 5日(火)午後 1時30分から

平成20年 6月18日

平成20年 6月18日

第5回特定調停期日

1.日  時   平成20年 6月18日(水)午後3時00分~午後4時00分

2.場  所   大阪地方裁判所 第2別館3階 第6債権者集会室

3.出席者   
(1)社団法人滋賀県造林公社
   申立人 滋賀県造林公社副理事長、代理人弁護士 ほか
   相手方 10機関(全員出席)代理人弁護士 ほか

(2)財団法人びわ湖造林公社
   申立人 びわ湖造林公社副理事長、代理人弁護士 ほか
   相手方 農林漁業金融公庫、滋賀県代理人弁護士 ほか

4.概  要
(1)公社代理人弁護士から経営改善計画書の変更案について説明した。

(2)滋賀県代理人弁護士からは、
・大阪府他7団体から出された意見書に対する考え方について説明があった。
・公庫債務について県が公社と連帯して長期にわたって分割して支払う(重畳的(ちょうじょうてき)債務引き受け)ことについて提案され、公庫と下流社員に理解を求められた。

(3)農林漁業金融公庫からは、「公社の申立てにかかる本調停自体に対する意見は、これまでと変わっていないが、県代理人からなされた重畳的債務引受の要請については、債務の正常化に資するものであり、これを排除しないと考えている。」との意見が出された。

(4)指定済みの期日        8月 5日  午後 1時30分
  新たに指定された期日      9月16日   午後 1時30分
                10月27日  午後 3時

平成20年 9月16日

平成20年 9月16日

第6回特定調停期日

1.日 時  平成20年9月16日(火)午後1時30分~午後1時40分

2.場 所  大阪地方裁判所 第2別館3階 第6債権者集会室

3.出席者 
(1)社団法人滋賀県造林公社
   申立人 滋賀県造林公社副理事長、代理人弁護士 ほか
   相手方 10機関(全員出席) 代理人弁護士 ほか

(2)財団法人びわ湖造林公社
   申立人 びわ湖造林公社副理事長、代理人弁護士 ほか
   相手方 農林漁業金融公庫、滋賀県代理人弁護士 ほか

4.概要
(1)滋賀県大輪弁護士から
  県が公庫債務を免責的に引き受けるに至った経緯について説明された。
(2)公社代理人弁護士から
  今回の免責的債務引受についても調停の中で位置付けることが望ましいとして公庫に対し、調停参加への継続を申し入れた。

5.次回以降の調停期日
  第7回期日 平成20年10月30日(木)午前10時から
  ※10月27日(月)が次回の予定日でしたが、期日が変更された。

平成20年10月30日

平成20年10月30日

第7回特定調停期日

1.日 時  平成20年10月30日(木)午前10時00分~10時15分

2.場 所  大阪地方裁判所 第二別館3階 第6債権者集会室

3.出席者  
(1) (社)滋賀県造林公社
  申立人:滋賀県造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
  相手方:10機関(全員出席) 滋賀県からは代理人弁護士ほか

(2) (財)びわ湖造林公社
   申立人:びわ湖造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
   相手方:2機関(全員出席) 滋賀県からは、代理人弁護士ほか

4.概 要
(1)公社代理人弁護士からは、債務の処理についてあらためて要請があった。

(2)各相手方代理人弁護士が、公社の要請について意見を述べられた。

5.次回以降の調停期日     未定

平成22年11月11日

平成22年11月11日

第8回特定調停期日

1.日 時  平成22年11月11日(木)午前10時00分~11時15分

2.場 所  大阪地方裁判所 第二別館3階 第6債権者集会室

3.出席者  
(1) (社)滋賀県造林公社
申立人:滋賀県造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
  相手方:9機関 代理人弁護士ほか

(2) (財)びわ湖造林公社
申立人:びわ湖造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
  相手方:滋賀県代理人弁護士ほか

4.概 要
(1)公社代理人弁護士からは、関係機関の情報共有を図るため、下流団体との個別交渉の内容および経過について、説明(報告)がされた。

(2)公社代理人弁護士が、債務の処理について、あらためて協力要請を行った。

5.次回以降の調停期日
    第 9回   平成22年12月 2日(木) 午前10時~
    第10回   平成22年12月24日(金) 午後 1時30分~

平成22年12月 2日

平成22年12月 2日

第9回特定調停期日

1.日 時  平成22年12月 2日(木)午前10時00分~

2.場 所  大阪地方裁判所 第二別館3階 第6債権者集会室

3.出席者  
(1) (社)滋賀県造林公社
  申立人:滋賀県造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
  相手方:9機関 代理人弁護士ほか

(2) (財)びわ湖造林公社
  申立人:びわ湖造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
  相手方:滋賀県代理人弁護士ほか

4.概 要
(1)公社代理人弁護士からは、前回期日以降の協議状況について、報告がされた。
(2)公社代理人弁護士が、債務処理について、一定の方向に収斂することに理解を求めた。

5.次回以降の調停期日
   第10回   平成22年12月24日(金) 午後 1時30分~

平成22年12月24日

平成22年12月24日

第10回特定調停期日

1.日 時  平成22年12月24日(金)午後1時30分~

2.場 所  大阪地方裁判所 別館14階 中会議室

3.出席者  
(1) (社)滋賀県造林公社
  申立人:滋賀県造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
  相手方:10機関 代理人弁護士ほか

(2) (財)びわ湖造林公社
  申立人:びわ湖造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
  相手方:滋賀県代理人弁護士ほか

4.概 要
(1)公社代理人弁護士からは、全団体に対し、大筋での合意を改めて要請した。

5.次回以降の調停期日
   第11回   平成23年 1月 6日(木) 午前10時~
   第12回   平成23年 1月14日(金) 午前 9時30分~ 

平成23年 1月 6日

平成23年 1月 6日

第11回特定調停期日

1.日 時  平成23年 1月 6日(木)午前10時~

2.場 所  大阪地方裁判所 第二別館3階 第6債権者集会室

3.出席者  
(1) (社)滋賀県造林公社
  申立人:滋賀県造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
  相手方:10機関 代理人弁護士ほか

(2) (財)びわ湖造林公社
  申立人:びわ湖造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
  相手方:滋賀県代理人弁護士ほか

4.概 要
(1)本日、申立人代理人弁護士から滋賀県造林公社にかかる調停条項案が提出された。

(2)調停委員会から当該調停条項案に関する意見陳述があった。

(3)各団体はこの調停条項案を持ち帰り、平成23年1月20日を目処に、対応方針を申立人代理人に報告することとなった。

平成23年 3月30日

平成23年 3月30日

第12回特定調停期日 特定調停が成立しました。


1.日 時  平成23年 3月30日(水)午前10時~

2.場 所  大阪地方裁判所 第二別館3階 第6債権者集会室

3.出席者  
(1) (社)滋賀県造林公社
  申立人:滋賀県造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
  相手方:9機関 代理人弁護士ほか

(2) (財)びわ湖造林公社
  申立人:びわ湖造林公社副理事長、代理人弁護士ほか
  相手方:滋賀県代理人弁護士ほか

4.概 要
(1)公社代理人弁護士から、前回期日以降の経過について報告がされた。

(2)調停委員から各団体(債権者)に対して調停成立に対する了解の確認がなされ、調停条項の読み上げ後、本日調停が成立した旨、告げられた。

(3)田口滋賀県副知事より、調停委員会ならびに各団体に対して謝辞が述べられた。